よいよおらんなった…

『今の四万十川には、よいよ”うなぎ”も”エビ”も”あゆ”もおらんなった。』

地元のおんちゃんの話が始まった。ある集会での団欒の場の話。気になった内容だったのでまとめてみました。

昔は、小学校に行く時分に渡し舟で通いよったがやけんど、よう川を見ると一筋、だいたいこんぐらいやろうか。(両手を広げてサイズを表してくれた、約30cmくらい)

これくらいの黒い筋がべったり川のへりを上流の方向いて動きよった。

この割り箸より少し太いばぁの”うなぎ”がのぼりよったがよ。

それが、数百匹、いやぁ数千匹やろうか、分からんくらい一筋になって川を上りよったがで。

今じゃあ、信じれんかもしれんけんど、うなぎらぁよう獲って食べよった。

箱ころばし(うなぎを捕る仕掛け)を仕掛けちょったら、何匹も入っちょったわえ。

でも、今はそんなが見んなったもんねぇ。

『私も若い時は獲り行きよったがで。』

おばちゃんも話始めた。

夜になるとライトをもって、ようエビを獲りに行ったで。

ライト当てると目が光るがよね。

そうよ、あの時分にはいっぱいおったね。

よう、大きな網を持って行っちゃあ、石を足で起こしちゃあして網をかまえちょったら、その網に2,3匹飛び込んできて、帰るときらぁ腰につけちょるカゴん中がいっぱいになって何十匹とるがらぁすぐやった。

今じゃあ、ころばし仕掛けちょっても捕れんもんね。

『鮎も踏みつけるばぁおった。』

昔は川ん中を黒い塊がゴンゴン動きよって、それが”鮎”いうががあたりまえやった。

川に泳ぎに遊びに行ったら、そこは水族館よりたくさんの魚がおって、鮎もその一つに過ぎんかった。

踏みつけるばぁ、おった。

そんなあゆもおらんなった。

 

うなぎにしてもエビにしても、あゆにしても年々減っているのが現状の四万十川。

ここ数年、四万十川の様子が変化しているのは事実。

四万十楽舎の前の川原には前にも増して砂地が増えました。

釣れる魚も前とは違って、砂地に生息する魚が増えています。

おんちゃんおばちゃんの話を聞いていると、昔の四万十川は本当に最後の清流と呼ばれるほど、きれいな川だったんだなと思います。

今は今、昔は昔ですが、ぜひ、うなぎの群れや鮎の黒い塊を見てみたいものです。

昔の四万十川を取り戻すためにはどうしたらいいのかな…

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